音楽地獄

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ダンスは続いていく(見知らぬ人たちと夜の有楽町の交差点前で踊った話)

 

有楽町の交差点前で、踊る夜が、人生に訪れるなんて思わなかった。

 

私は、ステップを踏みながら、とある曲の「生きるとは多分、踊ること」という言葉をぼんやりと思い出した。

 

路上ライブしてる二人組のドラマーを、"私たち"はしばらく眺めていた。

しばらくしてドラマーの前に男女二人が立ち止まって、体をゆらしてリズムを取り始めて、段々とダンスをし始めた。

(あとから訊いたら、彼らはダンスサークル所属だったらしく、結婚式の帰りだと言っていた。華美なドレスとフォーマルなスーツで踊る姿が美しかった)

そうしたらいろいろな人たちが少しずつ加わって、踊りだして、輪が大きくなっていって。一人、また一人と増えていった。

各々、お互いに褒めたり拍手したりしながら、音に身を任せて自由に踊っていた。
わりと長い時間踊っていたので、途中で抜けていく人もいた。私たちはお互いに「またね!」と手を降って見送り、踊り続けた。

ダンスがうまい人も、ダンスなんて普段はしないけど楽しそうだから輪に混ざった感じの人も、ちょっと酔ってる外国人も、みんながドラムの前で、誰が誰と友達なのか、もはやわからなくなって、そんな事はもはやどうでも良くなってて、どれだけの時間わたしたち踊ってたのか分からないけれど、とにかく私達は踊っていた。

音楽って、踊りって不思議だ。

曲が終わり、ドラマー二人が笑顔でお礼を言って、わたしたちは少し肩で息をしながら、各々ハイタッチをして、もしくは一言二言の会話を交わして、またそれぞれの方向へ帰っていく。輪に混ざらなくともずっと笑顔で見守っている人たちもいた。少し名残惜しそうに、笑顔のまま去っていった。

きっとまたすれ違うときは他人だ。私たちは、本来なら、交差点で無言ですれ違うだけの他人同士だった。

ぎこちないステップ。気持ちは揺れる。たった今そうこの瞬間、俺達は地球上で一番自由さ」(KZ『ダンスは続いていく』より)

いや、もうすれ違うことすら無いかもしれない。目配せして笑い合って、動きを真似て、音に身を任せて、踊りあった私たち。あの空間に足を止めたすべての人生は確かにあの瞬間で交差していた。人生は続き、ダンスは続いていく。The dance goes on .東京の夜に踊る、ちょっぴり切なくて、ものすごく美しい出来事だった。

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